今回は「レスり側の男性」のお話。
この記事を書くため、前からTwitterで話を聞かせてくれるレスり夫さんを募集してたんだけど、けっきょく応募がなかった。
もしかしてレスり夫は架空の生物でツチノコ(古い)みたいなもんなのか…とあきらめかけていた。
しかしさいきん自分がやっている電話カウンセリングに、レスり夫さんからのご相談が!
実を言うとレスり夫さんからのご相談は、今回でふたりめ。
前回の方には記事にしていいか聴くことは出来なかった。
わざわざお金払って電話相談してるひとに「ブログ記事にしていいですか?」なんていう、芸能リポーターばりのツラの皮の厚さはぼくにはなかった。
けど今回のかたはなんと自ら「この話はブログで書いてほしいです」と言ってくれた!
なのでお言葉に甘えて書かせていただきます!
※特に相談者さまからのご指示はなかったのですが、ご本人さまの身バレ防止のため、属性などは虚実織りまぜておりますので、そのつもりで記事ごらんください。
レスに直接関係することはありのままに書かせていただいてます。
レスり夫case1・タクヤさんの場合

今回の話に登場するかた
・妻マナミさん(仮名・32歳 専業主婦)
・長女(3歳・好みのタイプ:ネコ笑)
・レス歴は約2年
それではタクヤさんのレス物語を書いていく。
最初のあいさつ部分をはしょり、なれそめから再現。
ちなみにタクヤさんはラブコメの主人公役が出来そうなぐらいのさわやかボイス。うらやま。
のき(以下の)「マナミさんとはどうやって知り合ったんですか?」
タクヤさん(以下タ)「仕事をつうじて知り合いました。ほとんどボクの一目ぼれで」
の「おお!好みのタイプだったんですね!」
タ「これ以上のひとに出会ったことないっていうぐらいタイプでしたね笑」
の「ベタな表現ですいませんが、猛アタックの末結婚ってやつですか?」
タ「です笑。つき合って3か月で入籍しました」
の「そのころセックスはどうたったんですか?」
タ「ふつうにありましたね。結婚後も妻が妊娠するまでは週1のペースでしてました」
の「その頃の自分がうらやましい!って気持ちになりますよね笑」
タ「どうでしょうか…それより、よく出来てたな自分…という気持ちのほうが強いかもしれません」
ぼくは最初、勝手にタクヤさんをレスられ側だと思って話を進めていた。かつてのレスられ経験で、「人をみたらレスられだとおもえ!」という感覚が染みついてるせいだ。
電話相談は、事前に状況を教えてくれるひともいれば、ぶっつけ本番の人もいる。
タクヤさんはぶっつけ本番型だったので、前情報が何もなかった。
この人はレスり側だ、ということをここでようやく悟った。
の「あ、タクヤさんはセックスを拒否する側なんですね!」
タ「実はそうなんです笑、のきさんに怒られるかもしれませんが」
の「怒るなんてとんでもない!ぜんぜんそんな感情はありませんよ笑」
これは本心だ。
たしかにブログやTwitterでレスり側への、遺憾の意を表明してはいる。
でもそれはパートナーが傷ついているのに、セックスレスに向き合ってないレスりに対してだけ。
っていうかタクヤさんみたいに、レスに対して真剣に考えてる時点で「レスり」とも思っていない。
の「夫婦仲はどうだったんですか?」
タ「結婚当初はふつうに仲良しでした。でもだんだんとマナミの性格が変わってきたんです。ほんの少しずつですけど…」
の「どんな風に変わってきたんですか…?」
タ「だんだん厳しくなってきたというか…え?それで?ということで怒ることが増えてきました」
の「怒りの沸点が低くなってきたんですね。台所のお湯の沸点から富士山頂のお湯の沸点みたいに(やべ…わかりづら…)」
タ「そ、そうですね…。はは…」
の「え、えーとどんな時に怒るようになったんですか?」
タ「ぼくが車の運転してて、入るべき駐車場を見逃してもう1周したら満車になってたときとか…かなりキレられました」
前後の話を聴いてないから正確なところは分からない。
でもこのエピソードだけ切り取ると、確かに怒りっぽいな、とは思った。
こういう時、同乗者は「大丈夫だよ」とか「こんなこと誰にだってあるよ」といってフォローしてくれる人のほうが多い気がする。
ちなみにうちの妻なら「最初からおまえが一発で駐車場に入れるとは思ってないから」と言うだろう。やさしいね。
タ「そのほかも小さいことで怒ることがたびたびあって。どんどん自信喪失していきましたね」
の「それでレスにつながってしまったと?」
タ「最終的にはそうですね。でもさっきも言いましたが、子供ができるまでは週1でセックスしてました。けど出産してから妻のきつい性格がエスカレートしまして…」
恐怖でレスに
の「出産してからまなみさんはどう変わっていったのですか?(無能インタビュアー感…)」
タ「いままでも言葉はキツかったですが、産後はついに言葉が一線を越えてきました。自分の仕事にたいしても口出しするようになってきたんです」
の「え…?それは例えば『仕事できないから給料安いんだよ!』とかそういうのですか…?」
タ「その通りです笑まったく同じこと言われました!」
の「…(当ててどうすんだよ、オレ…)」
タ「いちおう年収は700万あるんですが、それでも全然足りないって言われてます」
の「35歳で700万だったらかなり稼いでるほうだと思うんですけど…」
タ「きっぱりとぜんぜん足りないって言われます。これじゃあ娘にいい教育受けさせてあげられない、とか。でも今の会社にいる限り一気に年収を上げられないし…努力がどうのってものでもなくて」
の「仕事や収入のこと言われると凹みますよね…さぼってるならまだしも…」
タ「たしかに産後のホルモンの変化とか男には分からない部分がたくさんあるとは思うんですけど、それにしても言い方がどんどんキツくなって」
の「タクヤさんは家事や育児はどれぐらい協力してたんですか?」
タ「家にいるときは出来るだけやってました。あとぼくこれと言った趣味ないんで、休日も出かけることもなく家事育児は全力って感じでした」
の「そうなんですね。それでマナミさんの口調がきつすぎて、ちょっと嫌いになってしまったんですか?」
タ「嫌いというよりは、怖いって感情ですね。常に不機嫌だからいつもビクビクするようになってしまって…。ちょっとでも怒ると物を乱暴に扱ってわざと大きな音たててきます。とくに食器棚に皿いれるときが一番怖い…」
の「家族が不機嫌をまき散らしてるのは本当にコワいですよね…」
タ「あとしょっちゅう義兄(マナミさんの姉の夫)さんの話をしてくるようになって」
の「義兄さん?それはどういう話ですか?」
タ「うちの義兄さんは会社経営者で収入も高いんです。ルックスもよくてコミュ力も高い完璧な人。事あるごとに引き合いに出されます」
の「それはタクヤさんに起業してもっと収入増やしてって煽られる感じですか?」
タ「いや、そんなリスクは背負わないで!って言われてます。正解がわかりません笑」
の「人と比較されるのは辛いですよね…」
タ「ふだん小さなことでキレられてるのもあって、どんどん自己肯定感が下がっていきました」
の「さいごにマナミさんとセックスをしたのはいつですか?」
タ「二年まえですね。それ以降は何度かトライしたけどダメになりました」
の「トライってどこまでするんですか?」
タ「前戯まではするけど勃たなくて終了、です」
の「それは中折れですか?(なんかさっきから頭わるいアキネーターみたいだなオレ…)」
タ「中折れじゃなくて最初からまったく勃ちません…ぶっちゃけ前戯のときもまったく興奮できないんです」
の「それはもったいな…まあそういう時もありますよね(←未経験)」
タ「妻の存在自体が怖くなってしまい、ぼくが委縮してしまっているせいだと思います。あと自分がダメっていうのが頭にすり込まれてしまって。セックスする自信もゼロになりました」
の「途中でセックスが終わってしまうことにたいして、マナミさんはどう反応しますか?」
タ「いろいろですね。無言で背中むけたり、ブツブツ嫌味言われたり。『魅力なくてゴメンね!』って泣きわめかれたこともありました」
の「でもそれは仕方ないですよ。たぶんマナミさんはかなり傷ついてると思います」
タ「そうですよね…。でもそんな反応されちゃうとよけいプレッシャーになって、勃たなくなっちゃいました」
話し合いはしたけど…

の「最近もセックスのトライはしてるんですか?」
タ「しばらくしてないですね。触れることさえ出来なくなってしまいました。レスで妻を傷つけてるけど、こっちもモラハラですごい傷つけられてる…そんな気持ちがどんどん強くなって、セックスなんて想像も出来ない状態です」
の「タクヤさんの性欲自体はどうなんですか?性欲がまるっきりなくなっちゃとか…ひとりですることはありますか?」
タ「もともとあまりしない方なんですが…でも月2,3回してます」
の「まあ…30代になるとそれぐらいになりますよね(←40代だけど毎日してるやつ)」
タ「ひとりですることもリハビリみたいな感じになってきて、あまり楽しくなくなっちゃいました」
の「レスについての話し合いはしてるんですか?」
タ「1回だけ時間つくって話し合いしました。でも妻が取り乱してしまって話をあまり聞いてくれませんでした。『私を抱かない暮らしが理想ならそうしなよ!』って言って、ドアを壊すようにして家から出ていってしまいました」
の「後は追わなかったんですか?」
タ「追えませんでした。やばいな、とは思ったけど怖くて体が動きませんでした。言い訳かもしれませんが子供もいたし」
の「たとえばマナミさんが婚外許可を求めてきたらどうしますか?」
タ「…ムリですね。ほかの男とセックスすると思ったら、吐き気がします…」
の「挿入はとうめん諦めるとして、しばらくは前戯的なことでマナミさんを満足させるというのも難しそうですか?セラピストにでもなったつもりで」
タ「いまは正直さわりたくもない…ってとこまで来ちゃいました。のきさんは奥さんに対してそう思ったことありませんか?」
の「ありません!っていうか妻だけじゃなく、人生においてそう思ったことはありません笑」
タ「そうなんですか、さすがですね笑」
の「ただタクヤさんと同じ状況になったらどうなるか分かりませんが…いや…やっぱりセックスだけはしちゃう気がします、傷つきながらも笑」
タ「ぼくもそうなれたらいいんですけど…まだまだ難しそうです」
の「ありがちな意見で申し訳ないですけど、やっぱり何回も話し合いの場を作るしかない気がします」
タ「そうですよね」
の「マナミさんは自分がタクヤさんに怖がられてること知ってるんですか?」
タ「キツイ言い方しないで、とかは伝えてことあるけど、それがレスの原因になってるのは知らないと思います」
の「それを伝えるのはいちばん大切かもしれませんね。怒らせない程度にゆっくり時間かけて分かってもらう感じで。それか洗いざらい一気にぶちまけるか笑」
タ「とりあえずは様子みて、少しずつ話し合いの場を持ちたいと思います」
まとめ
妻への恐怖心からレスりになってしまった男性はかなり多い。
これは「恐妻家」などというのろけの一種のようなものとはまったく違う。
生命の危険を感じるような恐怖を妻にたいして抱いている男性は一定数いるのだ。
「ガタガタ言ったら暴れちゃえばいいや!」という暴力性とは縁遠く、理性が強い男性こそこの傾向が高いように感じる。
女性には男性には分からない妊娠・出産のこともあるし、PMSなどもある。
それに怖くさせたのは男側のせいだろ!という反論もあるかもしれない。
だから「怖いから怒らないで!」なんて言うつもりはない。
でも夫は妻が思ってるよりもずっと妻に怯えていることがあり、そのことが夫婦のセックスを限りなく遠ざける原因になることは知っておいてもらいたい。
終わり
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