夫側のセックスレスはなぜ起こる?
夫が妻とセックスしなくなるのはなぜ?
年をとっちゃったから?
仕事のつかれ?
それともぜんぶ雪のせい?
あるかもしれない。
でもそれらは小さな要素にすぎない。
では夫がセックスを拒否する根本的理由はなんだろうか。
男目線でいくつか書いていく。
杉下右京になりたい願望
「妻が家族にしかみえなくなった」
男性がよくいうセリフだ。
これは逆説的で、妻を抱かないから家族としか思えなくなった、が本当のところだろう。
あとはなんとなく波風が立たなそうな理由だから、よく用いられる。
しかしじっさいは家庭的なフリしながら、笑顔で妻を蹴り上げるようなひどいことばだ。
「妻が家族にしか見えない」を本音翻訳マシーンにかけると、このことばになる。
妻とのセックスに鮮度が感じられなくなったから、したくない。
これは妻の努力がたりないわけじゃなく、単純に夫のセックスへのアンテナ感度が弱くなったにすぎない。
ただ同じ相手というだけで、人間は毎日変化するし、反応も気持ちいいところもすこしずつ変わる。
諸行無常という概念を知らず、同じだからつまんない、と錯覚を起こしているだけだ。
しかしそんな錯覚があるのは、妻も同じだ。
夫婦でおなじだけセックスしているはずだから、新鮮さを感じなくなるのは妻もおなじはずでは?
女性のセックスへの感性は鮮度長持ちパックにでも包まれているのか?
ちがう。
妻もおなじく、夫とのセックスに新鮮さなんか感じていないのだ。
では妻も新鮮さがないとセックスはしたくないか、というとそうでもないようだ。
どうやら女性は男性への安心感や親近感がセックスへの意欲にもつながるっぽい。
しかし男性にとって“慣れ親しんだ感”は、女性の服を脱がせる意欲をうばう。
慣れ親しんだ安心感がセックスというフィルターを通すと、男女でまったく逆の作用をしてしまう。
これがセックスレスでもっとも厄介なことだと、ぼくは確信している。
変わらず自分をサポートしてくれてる妻。夫はそんな妻に安心するいっぽうで、その変化のなさに性的衝動を弱める矛盾をもっている。
セックスにおいて、よくいえばフロンティアスピリッツ、悪く言えばとっかえひっかえしたい気質が男にはそなわっているのだ。
そなわっているのだ、なんて最新ハイテク機器のようにいって申し訳ないが。
特命係の杉下右京のように、シーズンごとに“相棒”を変えたい。
ほとんどの男にはそんな潜在意識がある(この場合セックスの相棒だけど)。
最低だけど、そんな男性の願望が、セックスレスのおおきな原因となっていることが多い。
仕上がってないセックス
自信がない、相手を満足させられない、そういった理由でセックスから遠のいてしまう男性は多い。
早漏やEDを理由に自信喪失する場合もあるし、行為中の女性の言動で自分自身に“セックス不得意”のレッテルを貼ってしまうこともある。
たとえば妻にセックスのとき「痛い」と言われてしまった。
じつはこの「いたい」の3文字は、チョコボールの金のエンゼルぐらい価値のあるものだ。
なかなか言える言葉じゃない。セックス中痛くてもガマンしちゃう女性が多い。だからこういう明言は貴重で、自分のセックスを見直し、改善するきっかけになる。
でもここで「マジ?痛いのか…よしじゃあ次からは痛くしないようにがんばる!」
そんな風に素直に女性の言葉を受け入れられる男性はまれだ。
逆に気分を害し自信喪失して、挙句のはてにセックスから離れていってしまう男性は決して少なくない。
男性は、女性が思っている以上にプライドまみれの生き物だ。
妻といっしょにセックスのテクニックをみがく、そんなのはイヤなのだ。
最初から妻に“経験豊富で仕上がっている”と思われたい。
出会ったころに「キスうまいね・・・」とうっとり言われるのは最高にうれしい。
が、「さいきんキスうまくなったね」と言われるのは、心外。
そんな傾向が男性にはつよい。
“気持ちよくない”という空気を相手から察知すると、思春期の美術部員のように傷ついて、セックスから離れてしまいたくなるのだ。
賢者モードで悟りを開いてしまう
自分を早漏だと思っている男性は多い。
何分までに射精したら早漏という明確な指標がないから。
そして、AV男優のセックスを挿入時間の指標としがちな面もある。
しかしほとんどの男性は「自分は早漏」と思っただけでは、セックスを拒否するようにはならない。
セックスレスになってしまうタイプは、早く射精してしまうと、相手に見下されるような気持ちになってしまうタイプだ。
早漏夫がレスってしまうプロセスの一例を紹介しよう。
「めっちゃ気持ちいい。何回でもしたい。もうイキそうだけど、終わったらもう一回しよ」
早漏の夫も、セックス中はそう思っている。
だけど終わったが最後、二回目なんてとんでもない、となる。
性欲なんてみじんもない、いわゆる賢者モードにはいってしまう。
煩悩が断たれた状態で、ほんのすこし前の自分を回想してみる。
イクのをガマンするために、ジャバ・ザ・ハットに似た近所の親父を脳内に浮かべながら、けいれんのようなピストンをする自分。
それでもダメで、もっとも曲が盛りあがるパートを唄うときの五木ひろしのような苦悶の表情をうかべて、イッテしまう自分。
そんな情けない姿をさらしながらも、妻を満足させられない自分。
自己嫌悪におちいり、妻の「だっさ」という心の声が、幻聴となって頭に響く。
そして賢者は「セックスなんてかっこわるいし傷つくだけ。もう、やるまい」と悟りを開く。
早漏は単なる体質。射精時間は必ずしもセックスの興奮度と比例しない。
セックスが好きで好きでたまらない、気持ちよすぎてガマンできない、から早く射精してしまうわけではないのだ。
なので“セックスに冷めている”と“早漏”は両立する。
このふたつの特性を持っているタイプの男性は、レスり側になってしまう可能性がより高まってしまう。
微弱な性欲

「人生でいちばん変態的なセックスってなにした?」と聞いたとき、
「そうだなー騎乗位でしたことかな?」とへいぜんと言ってのける男性はいる。
そう、セックスへの関心が超低くて、冒険心もまったくない人間。
明日から“セックス禁止法令”が発令されるとしても、「へーそうなんだー」といちごカプリコを食べながらあくびをするような人間。
おそろしいことに、そんな人間が実在するのだ。
さらにもっとおそろしいのは、こんな男性も結婚をしてしまうこと。
そしてその結婚は、分厚い雨雲が空をうめつくしたら雨が降ってくるように、必然的にセックスレスとなってしまう。
結婚後年齢とともに、もともと少ない性欲はさらに減っていくからだ。
性欲がうすいタイプの夫のタチの悪いところは、セックスレスで悩む妻の心が理解できないところだ。
妻「あなたに抱かれたい」
夫「え?なんで?」
というやり取りをさも当たり前のように成立させてしまう。
「セックスで愛情を感じる」という概念がないため、妻の願いにまったく共感をおぼえないのである。
ことばでは「そうか、ごめんね」といいつつ、頭の中では意味不明な懇願をなんとかやり過ごそうとすることで、いっぱい。
性欲がうすい男性は、結婚まえの段階では女性から魅力的、と思われることがおおい。
ほかの男のように、取引先と商談をしながらスナック菓子感覚で指マンをしたり、木下サーカス団のようなアクロバティックな体位もしたりしない。
会っても5回に1回しか体を求めてこない、そんな男性を女性は“誠実”だと判断してしまうのだ。
そして結婚後にそのジャッジが誤審だったことを知り、女性はセックスレスに悩んでしまう。
性欲ないのは、どうしようもない。
ただ性欲ないからセックスができない、というのは大きなあやまりで、その開き直りに似た心がレスを生む。
自分が食欲なくても、妻がお腹すいているのなら、妻好みの料理を作って楽しませる。
それと同じ精神が不足してしまっている。
でもここで性欲なし夫は、「勃起しないからどのみちセックスできない」と考えるだろう。
そのセックスに対する誤解も、レスに加担している。
挿入もセックスのバリエーションのひとつにすぎない。
挿入できなくても妻を気持ちよくさせる方法なんて、コロッケのものまねレパートリーと同じぐらいある。
自分がセックスで気持ちよくなれない。
だったら妻を満たすことで、自分のよろこびを感じればいい。
でも自分本位が捨てられない。
性欲がないという理由でレスってしまう夫に一番不足しているのは、心意気である。
種馬のような気分
男性は女性からセックスを求められるとうれしい。
ただこれは、まだ体の関係になってない、またはなってから日が浅い女性にかぎられる。
“かんぜんにわが手中に落ちた”女性から求められると、とたんに引いてしまう不遜さを男性はもっている。
“不健全”なセックスにこそ、あらがいきれない魅力を感じてしまう男性の心理にある。
これは食に例えると、オートミールをむさぼり喰うことはないけど、夜中のペヤングソース焼きそば超大盛りは丸飲みするいきおいでおいしく完食できちゃうこと。
“健全”なセックスとは、妻や長年つきあった恋人とのセックスであり、“超健全な”セックスとは子づくりのためにするセックスである。
なので子づくりのためのセックスとなると男性は、甘納豆をおやつに出された小学生男児のように消極的になってしまう。
頭ではわかっている。
愛する妻と愛の結晶をつくるためにするセックスのすばらしさを。
だけど背徳や不浄をガソリンとする下半身にぶらさがっているものが、GOサインを出してくれないのだ。
また「きょう妊娠しやすいから」みたいなことばで、セックスに誘われるのを嫌がる男性はおおい。
自分が種馬になったような気になってしまうのだ。
事務的なセックスじゃなく、“求めるがままに愛し合った末、こどもが出来た”、そんな理想を抱えている一面もある。
つねに刺激的な新しいセックスを求めるいっぽうで、こどもが出来ることに関しては、みょうなきれいごとをいい始める世の中をなめきった思考なのだ。
妊娠、出産にかんして大変な思いをするのは女性だけだ。
妊娠するまでの苦労、妊娠後に変化する体調とのたたかい、出産にかかわる肉体的、精神的負担。
しかし子づくりのセックスに、自分の理想を押しつけてくる男性。
これは厚かましいにもほどがある。
シェフが気合をいれて料理をつくっているけど、ただのスパイス入れ係が不要なこだわりで、いつまでたってもスパイスを振り入れないので、料理ができあがらない。
そんな状態だ。
夫は子づくりにおいてはたんなるアシスタントなんだから、主導権を握ろうとせず、妻がいま!っていうタイミングでセックスをすべきなのだ。本当は。
しかし子づくりセックスにおける“義務感”と“ムードの不足”と“いらない理想”。
この刺身3点盛りにやられて、セックスから距離をおいたり、逃亡したりしてしまう。
これが子づくりセックスをきっかけにレスになってしまう男の真理だ。
・おわりに
今回は夫側レスになってしまう心理を書いてみたけど、いかがだったしょうか。
夫の心理についてはまだまだ思うところがあるので、そのうち第二弾かきます。
ご覧いただきありがとうございました!
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