リアルなレスり妻の声を聴け!
記事を書く苦労を語るブログなんて最低である。
本文の最後にチョロっとならまだしも、冒頭からそれをやるなんて、その時点で読むのをやめられても文句はいえない。
でもあえていう。
「この記事書くの超大変だった!」
まだ5行しか書いてないのに、何かをやり遂げたような空気だしてんじゃねーよと思ったでしょう?
でも記事書く準備段階が大変だったんだ。
タイトルどおりこの記事は、“セックスを拒否する妻”の心理について書いたもの。
でもそんなものは男のぼくにはわからない。
分かってたら、自分がレスのときあんなに悩まなかった。
じゃあどうやって書くか。
“妻が夫とのセックスを拒否する理由”みたいなネット記事を参考にすればいいのか。
でも古畑任三郎なみに疑りぶかい性格の自分。
ネット記事の“レスる妻”は、ライターが桃鉄でもしながら適当にでっち上げた架空の人物かもしれない。
それに他人の記事の内容をなぞっても意味がない。
すでにこの世に100個ある記事の101個目をつくっても、ウエンツ瑛士のイギリス留学ぐらい世間にひびかない。
だからじっさいに知り合いのなかから“レスり妻”を探し、ダイレクトに話を聴こうと決めたのだ。
でもすぐに後悔した。女性選びが、とても大変だったのだ。
既婚者女性の知り合いは多いほうだけど、セックスレスをおおっぴらにしてるひとは少ない。
いや数人はいたのだが、全員いわゆる“レスられ側”だったのだ。
知り合いの中から“レスる”夫を見つけるのはたやすいが、“レスる”妻を見つけるのがかなり困難だった。
が、これ以上前置きを続けてると、本格的に画面を閉じられそうなので本題にうつろう。
結果的には4人の女性から話を聴くことが出来た。
ひとりひとり書いていこう。
レスりさん1人目・ナオちゃん(40代・結婚10年目で離婚)
ナオちゃん(仮名)はこんな感じ。絵はヘタながらもかなり似たとおもう。細身の主婦だ。
旦那大好き妻が急変
ぼくの中学時代の友達にシンジ(仮名)という男がいる。
ナオちゃんはシンジの奥さんだったひとだ。
20年来のつきあいで、気心も知れた関係である。
5年ほどまえに友人とは離婚した。
けどその後もぼくとナオちゃんは連絡を取りあって、しょっちゅう食事をする間柄。
まだ結婚しているときも、「何年もセックスしてない」という言葉を本人とシンジ、どちらからもから聴いていた。
そしてシンジが「さそってもナオが嫌がる」と漏らしていたことがある。
ちなみにこの記事↓で登場するナオちゃんと同一人物だ。
ナオちゃんとぼくとリサちゃん(共通の友人・40代)3人で居酒屋にいき、話を聴くことにした。
もちろん「ブログ書きたいからレスの話聴かせて」とは言わずに。
もともとナオちゃんはおっとりした天然である。
イヤホンのコードが自然に絡まるのが不思議で、イヤホンにビデオカメラを回しつづけた逸話があるぐらい。
この夜もメニューの“冷奴”を指さして、「“れいやつ”ってなんですか?」という質問を居酒屋スタッフに浴びせていた。もう40歳をとうに越しているというのに。
キャラクターからはレスりのイメージが湧かないけど、どうやってセックス拒否に至ったのだろうか。
「さいごにシンジとしたのはいつだったの?」と聞くと、
「最後にこども産んでからしてないよ」とナオちゃんは言った。
ナオちゃんは女の子の双子が初産で、その2年後に男の子を産んでいる。
出産をきっかけに、セックスしたい気持ちがなくなったという。
“産後レス”というやつだ。ぼくもおなじ経験をしたので、古傷がすこし痛んだ。
「そんなもんだよねー」とてきとうに相づちを打つリサちゃん。
しかし目は隣の学生っぽい男子2人組をロックオンしている…。
ちなみにこのリサちゃん、スタイルはいわゆるモデルなみ。けど顔は、志村けんに女性ホルモン注射を40本打ち込んだような感じである。
「じつはさいしょの双子産んだあとぐらいからエッチはいやになった。でもこどもは欲しかったから、した。シンジには悪いけど、しょうがなくって感じで」
ナオちゃんがなぜかぼくの注文したゆずみつサワーを豪快に飲んでるのが気になったが、ぼくはあることを思い出していた。
ナオちゃんとシンジは、中学時代の同級生。その当時からナオちゃんはシンジに片思いしてたらしい。
それが23、4歳のころ、共通の友人を介して再開し、ナオちゃんの渾身の猛プッシュによりつき合うことになったのだ。
経緯がそんなんだから、交際中も結婚後もしばらくはナオちゃんがベタ惚れしている感じだった。
しかし双子を出産したあと、ナオちゃんのシンジにたいする感情に変化があった。
そのことがナオちゃんのなにげないひと言によって、第三者であるぼくにも伝わってきたのだ。
それは夫妻と遊んでいたとき、ふとナオちゃんがもらしたこの言葉だ。
「シンジがいた部屋って、ニオイでわかる」
「え?なんで?」とシンジはあきらかに動揺していた。
口ぶりから言って、「ステキなあなたの香りに誘われる、ワタシは恋するバタフライ」という感じではなかった。
すこし気を使いつつも、“一太刀浴びせてやろう”という意志を感じた。
あきらかに「くさい」と言っているのだ。
シンジの名誉のためにも言っておくが、当時彼はとくに体臭があるわけではなかった。
でもナオちゃんのシンジに対する、ほんのりとした生理的嫌悪感が嗅覚のセンサーを敏感にしたのだろうか。
とにかくそれまでのシンジとナオちゃんの関係性では、考えられないことだった。
ところで…そんな話はどこ吹く風、リサちゃんがじょじょに隣の学生へとイスを近づけていっている。
やめとけ!若者の顔面がかなりひきつってるぞ!
旦那のどこがイヤになった?
「むかしはシンジのことめっちゃ好きだったじゃん?なんかエッチがイヤになるような出来事があったの?」
「出来事かあ…でもやっぱり出産でなにもかも変わったのが大きか…あ、あった!」
エジプトでなにか貴重なものを発掘した吉村作治のような顔でナオちゃんは言った。
「沐浴のとき、シンジが急に胸をもんできたんだ!」
こどもが産まれてまだ数日、慣れない沐浴をさせてるとき、おもむろに背後から胸をもんできたのだという。
ナオちゃんはびっくりして赤ん坊から手を放しそうになったこともあり、いままでで一番シンジに対してむかつきを覚えたのだという。
生理的にシンジがダメになったのは、もしかしてあの時かも…とナオちゃんは言った。
これは既婚男性にとって、大きな落とし穴だ。
恥ずかしながらぼくも似たようなことを、妻にやってしまったことがある。
さすがに沐浴のときではないけど。
男性は結婚すると、なぜか妻が自分のものになったと錯覚してしまうものだ。
心も体も支配している、というカン違いをする。
だからスナック菓子感覚で、安易に妻の胸や尻に手をのばしてしまう。
言葉で「やめて」なんて言ってるけど、じつは喜んでいるだろ?なんて、浅はかな解釈を添えて。
妻にしてみれば、ただただ不快であることに気がつかないのだ。
でもナオちゃんはこの時点では、まったく離婚は頭になく、もう1人こどもが欲しいと思っていた。
セックス自体はいやだったけど、こども産むため、ガマンしてセックスしてたらしい。
セックス嫌がってることシンジは知ってたのか、と聞くと
「口には出してないけど丸わかりだったよ。だって“疲れ”を理由に私、上半身はまったく脱がなかったもん」
シンジは長年のつき合いだから分かるけど、それほど性欲は強くない。
そんな状況なのに、よくセックスをしていたとおもう。
もしかしたらシンジはシンジで、こどもが欲しいという理由で、嫌がられながらもセックスしていたのかもしれない。
「3人目を産んだら、もしかしたらまたシンジとエッチしたくなるかな、って考えてたけど、ぜーんぜんだった。もっとシンジがダメになっちゃった感じ。生理的に」
シンジはガタイがよく、ルックスも男くさい感じだ。
今まではそこに魅力を感じていたけど、3人目を産んだあとはそういう要素も生理的に受けつけなくなってしまった、という。
3人目を産んだあともシンジは数回誘ってきたけど、ぜんぶ拒否したらしい。
シンジは見た目ゴツいが、そんなに我を通すタイプじゃないので、そのうち誘われることもゼロになったという。
そしてナオちゃんは3人目出産後の3年後、シンジに離婚を切り出した。
シンジが女性と2人きりで飲みにいったことを黙っていたのが、どうしても許せなかったらしい。
シンジも最初は弁明したけど、かたくななナオちゃんの姿勢に心が折れ、離婚に同意した。
「沐浴のときの一件がなかったら、関係は変わっていた?」ぼくは気になるところを聴いた。
「うーん、わからないけど、今にして思えばあれは大きかった。だって当時、はじめてのこどもが双子で勝手もわからない。シンジは週1回しか仕事休みないし、朝はやくて夜遅かったから、死ぬほど育児がきつかった。そんなときあんなことされたら…ねえ」
シンジは、とてもマジメで優しいやつだ。でも小学生が好きな子をからかうような姿勢が、ナオちゃんにたいして、いつもあった。
そのノリの延長で“沐浴のとき胸を揉む”ということをしてしまったのだろう。
しかし子を産み、精神的においつめられていたナオちゃんには、もうそれが面白いものじゃなくなっていたのだろう。
本人が言うように、この一件の有無でセックスレスや離婚が回避できたかどうかは分からない。
でも夫婦生活のなかには、たったひとつの軽率な行動が大きく関係を変えてしまうことがあるのを、あらためて知った。
ナオちゃんは去年の春、7個年下の男性と再婚をした。
ぼくは酔い覚ましのお茶をオーダーしたあと、ナオちゃんに聴いてみた。
「で、いまはどれぐらいエッチしてるの?」
「めちゃめちゃやってる笑今朝もしたよ」
どうやらセックス嫌いもすっかり回復したらしい。
ところで…リサちゃん。ちゃっかり隣の男子たちをLINE交換してんじゃねーかよ!!
男子たちは気をつけろ!リサちゃんと一晩すごすようなことあったら、ほぼ全身白骨化するぞ!
レスりさん2人目・浅田さん(結婚15年目・30代)
セックスは最後の砦、ここだけは嫌いな旦那から守り抜く
レスり女性2人目を探しは、難航した。
いろんな知り合いにLINEで探りを入れては不発、というのが1週間続いた。
もうチマチマやるのが面倒になってきた。
こんなことやってるうちに宇宙は爆発し拡大しつづけている。
宇宙に遅れをとってはならない。
一大決心して、あるグループLINEに「旦那さんとのセックスを拒否しているひと、話きかせて!ブログ記事用に。もちろん身元はわからないようにする。謝礼はスニッカーズ3本で」
こんなメッセージを送ったところ、意外にもグループLINEは盛り上がった。
そして浅田(仮名)さんという女性が、「わたしもう7、8年旦那としてない」とカミングアウトしてくれた。
そしてみんなでオンライン飲み会するついでに、浅田さんが話をきかせてくれることとなった。
浅田さんはぼくが店長として働いていた、とある店のパートさんだ。
浅田さん似顔絵。
おっとりした感じの和風美人だ。
いまは30代後半。結婚は17年まえで、15歳になったひとり息子がいる。
オンライン飲み会は、全員店で働いていたパートと元アルバイトのスタッフ。
ぼく以外はみんな女性の、計7名で開催された。
オンライン飲み会は22時からはじまった。
30分ぐらいして場が温まったころ、浅田さんの話を聴こうとした。
が、今年新卒で会社員となった小田さん(仮名)の悩み相談が始まってしまった。
続く女子のお悩み相談会。
“やばい、このままじゃレスの話にこぎつけない……”とぼくは不安になったので、力技でこの話題を終わらせることにした。
「小田さん。“木を見て森を見てない”ってよく説教につかわれる言葉あるだろ?じつはあれは間違いなんだ。みんなホントは“森を見て木を見てない”。木1本1本の節目が見えたとき、君は社会人として必要なすべてを知ることになる」
ぼくの言葉を聞き、考えこむ小田さん。
定説の逆をいうことで相手を煙に巻く技が見事に炸裂し、小田さんを沈黙させることに成功した。
「で、浅田さん、なんで旦那さんとしなくなっちゃったの?」
パートの西野さんが間髪いれずに聴いてくれた。ナイスフォローだ。
「ふつうに旦那が嫌いになったからです」
普段はのんびりした口調の浅田さんが、はっきりとした口調で言った。
くわしく聴くと、浅田さんの旦那さんは極度の“束縛タイプ”らしい。
交際時から兆しはあったけど、結婚後はその性格がどんどんつよくなっていたというのだ。
これはなんとなく前からそんな気がしていた。
旦那さんは浅田さんの勤務中、しょっちゅう店に買い物に来ていた。
そこには「うちの嫁さん、仕事がんばってるかな!よーし見にいっちゃおう!」という空気ではなかった。(まあそれはそれでウザいが)
どちらかというと、浅田さんの職場での一挙手一投足をチェックする“監視”のニュアンスを、彼の視線から感じたのだ。
またぼくは旦那さんに店で会ったときは、会釈をしたけど、向こうから帰ってこなかった。
むしろちょっと警戒の目で見られたような気がしていた。
「おまえうちの嫁に手だしてないだろうな?」って。
出してません!
「とにかくうちの旦那は、やる事なす事ぜんぶ口をはさんでくるタイプ。ホントに古いドラマに出てくる姑がやるように、家具を指でなぞってついたホコリを見せてくる。掃除がなってないって」
ほかにも“旦那のイヤなとこ”をダムの放水のごとく吐き出してくる浅田さん。
料理のダメ出し、息子の成績が悪いとを浅田さんの遺伝子のせいにする、外出中は1時間に1回は連絡入れないといけない、など。
浅田さんが発表するたびに悲鳴をあげ、怒りを見せる飲み会メンバー。
だんだんみんな金剛力士像みたいな表情になっていく。
小田さんをのぞいては。
ほかにも1兆個ぐらい言いたそうな浅田さんだったけど、それを押し殺してこう言った。
「そんなふうにイヤなところが重なって、旦那に抱かれることなんて考えられなくなった」
「でもそんな旦那さんから、夜の営みを断るのってすごい難しくない?」
そう聞いたぼくに浅田さんは、こう答えた。
「すごい大変です。でもそれまで言いなりになったら、わたしはぜんぶ旦那に屈することにっちゃうので」
旦那がこう変わったらセックスしてもいい
「旦那に抱かれたくないのは、クサイのがイヤっていうのもある。加齢臭とか口臭とか」
浅田さんは、そうつけ加えた。
「加齢臭?うちのもあるけど、私はあんま気にならないな」旦那大好き西田さんが言う。
体臭や加齢臭は直接的にレスの原因になるというよりも、すでにあるレスを増幅させる要素なのかもしれない。2人のやり取りを見て、そう思った。
「加齢臭も近づかれたときオエってなってイヤだけど、旦那の口臭が一番キツイ」
旦那さんはめちゃくちゃ自分を棚にあげるタイプらしく、不養生で歯医者にもまったく行かないという。
「いちど朝に襲われたことがあった。体じゅうなめられたから、全身が旦那のツバのにおいでウンチみたいなにおいになったんです。めちゃめちゃトラウマになりました」
「オエエエエエエエー!!」
人生ではじめて嗚咽の合唱というのを聴いた。
全員がひとさまの旦那だということも忘れて、不快感を表明する。
セックスのとき、相手の口臭というのは気になるものだ。
それが嫌いな相手の強烈な朝の口臭であるなら、それはもはや兵器だ。
「旦那さんはそんなに断られても、まだ誘ってくるの?」
「全然きますよ。もうしたくない、ってはっきり言ったこともあるのに。でもそんなこと気にしないで、週1ペースでやろうとしてくる」
ぼくの問いにあきれたように答える浅田さん。
これは想像の域を出ないけど、おそらく旦那さんは、妻にどう思われようが気にもしないのだろう。
よっぽど妻を下に見ていなければ、このスタンスは取れない。
そして浅田さんの話によれば、旦那さんはセックスを拒否した翌日は、いっさい口をきかなくなるか家事などで無理難題を押しつけてくるか、の二択になるらしい。
かなり辛いけど、それでもセックスの相手をするよりはマシだという。
オンライン飲み会、思ったより楽しく時間が経つのがはやい。
気がつくと午前0時をまわっていた。そろそろお開きにしなくては。
最後にぼくと浅田さんはこんな会話をかわした。
「これから先、旦那さんに抱かれたい、と心変わりすることはあると思う?」
「どんなに性欲がつよくなっても、旦那だけには抱かれたくない、と思います」
「じゃあ旦那さんが心入れかえて、浅田さんをいっさい束縛しないで、優しくなったら?」
「まあそんな風になるのは想像もできませんが……もし人格をまるごと入れかえて、顔面が坂口健太郎になったら抱かれると思います笑」
浅田さん…つまり完全な別人にでもならなきゃ、旦那さんには抱かれたくないってことね。
みんなに「のきさんのブログのurlあとで教えてねー」とか言われたけど、照英のブログ『照英日記』のurlを教えといた。なんか見られるの恥ずかしかったから。
ちなみに次の日、新社会人の小田さんからLINEがきた。
「昨日はすごいいいお話してくれてありがとうございました!木と森の話、一生かけて考えていきたいと思います」
お、おう……。
今回の記事はここまでです。ご覧いただきありがとうございました。
パート2はこちらで!
この記事を読んでくれたあなた!セックスレスや婚外等のお悩みを聴かせてください。明るい未来への第一歩踏み出すお手伝いします!紹介記事だけでも読んでみてください。
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